3年間で起きた「地殻変動」の全体像
2024年から2026年にかけて、Googleは以下の3つの大きな流れで検索を再構築しました。
- AI量産コンテンツの淘汰:2024年3月〜、低品質AI記事を最大45%削減
- E-E-A-Tの本格運用:「経験」を持つ書き手の優遇が明確化
- AI検索への完全移行:2024年SGE、2025年AI Overviewsで検索UI自体が変化
結果、従来のSEOで通用していた「キーワード詰め込み」「量産型ブログ」「被リンク購入」は完全に効果を失いました。逆に、実体験ベースで丁寧に書かれた記事は評価が急上昇しています。
【2024年3月】史上最大級のコアアップデート+スパムアップデート
2024年3月5日〜4月19日、Googleは45日間かけて過去最大級のコアアップデートを実施しました。同時にスパムアップデートも展開され、次のような変化が起きました。
- 低品質AI量産コンテンツを検索結果から最大45%削減
- ヘルプフルコンテンツシステムをコアアルゴリズムに統合
- SpamBrain(AIスパム検出)の判定精度が大幅向上
- 期限切れドメインの悪用(オールドドメイン転用)を自動検出
- サブドメイン貸出(ドメイン権威の悪用)を検出
この結果、多くのアフィリエイトサイト・キュレーションサイトが順位を90%以上落とし、業界に激震が走りました。
【2024年5月】SGE(AI Overviews)本格稼働
2024年5月、Google I/OでSGE(Search Generative Experience)が「AI Overviews」に改名され、日本を含む世界各国で本格稼働しました。検索結果UIが根本的に変わり、次のような影響が出ています。
| 指標 | AI Overviews導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| 1位のクリック率 | 約30% | 10〜15% |
| AI引用元のクリック率 | - | 4〜6% |
| 非引用ページ | - | 1%未満 |
「AIに引用される参照元になる」ことが、新しい上位表示の意味に変わりました。
【2024年8月】もう一つのコアアップデート
2024年8月15日〜9月3日のコアアップデートは、3月の余波を受けたサイトの一部回復を狙った調整でした。特徴は次の通り。
- 小規模個人サイトの再評価(規模より質を重視)
- 実体験ベースコンテンツの順位上昇
- 大手メディアの独占的表示の緩和
- ローカル・ニッチ領域での多様性増加
「個人でも良質なら評価される」というシグナルが明確になった転換点です。
【2025年3月】コアアップデートと構造化データ強化
2025年3月のコアアップデートでは、次の3点が強化されました。
- 構造化データの重み増:FAQPage・Article・LocalBusiness未実装サイトの評価低下
- ページエクスペリエンスの再重視:Core Web Vitals(INP・LCP・CLS)の影響拡大
- モバイル完全優先:PC専用サイトはインデックス対象外へ
この時期に「構造化データ完全実装」を進めたサイトは、順位・AI引用率とも大きく伸びました。
【2025年6月】INP指標の完全導入
2024年3月に試験導入されたINP(Interaction to Next Paint)が、2025年6月に正式なCore Web Vitals指標として完全導入されました。旧FID(First Input Delay)は廃止。
- INP合格ライン:200ms以下
- 要改善ライン:200〜500ms
- 不合格ライン:500ms超
INP改善のポイントは、JavaScriptの軽量化・不要プラグイン削除・アニメーションのCSS化。この対策で順位が5〜10位改善した事例が多数あります。
【2025年11月】AI Overviews引用ロジックの調整
2025年11月、GoogleはAI Overviewsの引用元選定ロジックを更新しました。次の要素を持つページが優遇されるようになりました。
- 質問形式の見出し(H2に「〜とは?」「〜方法は?」)
- 結論を冒頭2〜3文に配置
- 数字・年月の明記(「2026年8月時点」「約35%」など)
- FAQPage構造化データの実装
- 著者プロフィールの充実
逆に、AIが要約しにくい「結論が後半にある」「装飾が多い」記事は引用率が低下しました。
【2026年3月】経験(Experience)評価の強化
2026年3月のコアアップデートで、E-E-A-Tの「Experience(経験)」評価が大幅強化されました。次のような変化が観測されています。
- 実体験の記述がある記事:順位上昇(平均+3.2位)
- 一般論だけの記事:順位低下(平均-5.8位)
- 自作写真あり:順位上昇
- AI生成画像のみ:順位低下
- 数字・事例・失敗談ありの記事:CTR向上
「あなたにしか書けない情報」を求める傾向が、これまでで最も明確になったアップデートです。
【2026年8月】ローカル検索アルゴリズム変更
2026年8月のローカル検索アップデートで、地域検索(MEO)の判定基準が大きく変わりました。
- バーチャルオフィス・実店舗のない住所を評価対象外化
- Googleビジネスプロフィールの更新頻度(週1以上)を評価
- 口コミ返信率(80%以上が理想)を評価
- 店舗写真の定期投稿(月4枚以上)を評価
- 地元被リンク(商工会・地域メディア)の重み増
「本当に地域で営業している店舗か」を厳しく判定するようになりました。
3年間の変化まとめ:勝ち組と負け組
| タイプ | 3年間の変化 |
|---|---|
| 実体験ベース個人ブログ | 順位上昇・流入2〜5倍 |
| 地域密着型小規模店舗HP | 安定or上昇 |
| 専門家運営メディア | E-E-A-T強化で上昇 |
| AI量産アフィリエイト | 90%以上のトラフィック消失 |
| キュレーションサイト | ほぼ壊滅 |
| キーワード詰め込み記事 | 大幅順位低下 |
「個人でも本物なら勝てる時代」に完全に移行しました。
今からできる対策5選
- 低品質記事の棚卸し:3ヶ月以上更新のない・PVゼロの記事を削除または統合
- E-E-A-T強化:プロフィールに顔写真・資格・実績・専門分野を明記
- 構造化データ実装:FAQPage・Article・LocalBusinessの3種類は必須
- AI引用最適化:疑問形の見出し・冒頭2〜3文で結論・数字と年月を明記
- Core Web Vitals改善:INP 200ms以下、LCP 2.5秒以下を目指す
この5つを3ヶ月かけて実施すれば、次回コアアップデートでプラス評価される可能性が高まります。
実際の順位変動事例3つ
事例1:個人アフィリエイトサイト(下落)
2024年2月時点で月間PV 15万、月収40万円。2024年3月コアアップデートで検索流入が92%減少、月収は5万円台に。原因は「AIで一部生成した記事」「実体験のない一般論」「著者情報の欠如」の3点。復旧は難しく、サイト売却を選択。
事例2:地域密着型工務店HP(上昇)
2024年1月時点で「福岡 注文住宅」検索は圏外。2024年8月〜2026年3月のアップデートを経て、順位が着実に上昇。決め手は「代表・スタッフの顔写真掲載」「施工事例100件以上」「お客様の声30件」「地域イベント参加ブログ」。2026年下期は同キーワードで7位、月間問い合わせ12件を安定確保。
事例3:士業事務所(上昇)
2024年時点でSEO対策未実施。2025年3月から「税理士名+顔写真」「保有資格・実績年数」「対応事例50件」を掲載、FAQ構造化データを実装。2026年8月時点でAI Overviewsの引用元として頻繁に表示され、初回相談の問い合わせが月2件→月11件に増加。
次のアップデートに備える3つの習慣
- 月1回:Googleサーチコンソールで順位変動をチェック
- 月2〜4本:実体験ベースの新記事を投稿
- 四半期に1回:既存記事のリライト(データ更新・出典追加)
アップデートを恐れるより、「Googleが評価する方向に沿った運用」を続けることが最大の防御です。
よくある質問
Q. 3年で一番大きな変更は?
A. 2024年3月のコアアップデート+スパムアップデート。低品質AI記事を45%削減した過去最大級の変動です。
Q. コアアップデートで順位が下がったら?
A. 慌てて修正せず、低品質記事の削除・E-E-A-T強化を3〜6ヶ月かけて実施。次回アップデートで戻るケースが多いです。
Q. AI OverviewsでSEOは意味なくなる?
A. 意味は残ります。AI引用の参照元になれば、非引用ページより数倍のクリック率を確保できます。
Q. E-E-A-Tは個人でも強化できる?
A. できます。顔写真・資格・実績・専門分野の明記だけで順位改善する事例が多数あります。
Q. 今から何を優先すべき?
A. 低品質記事の棚卸し・E-E-A-T強化・構造化データ実装の3点を優先しましょう。
まとめ:変化に振り回されない運用へ
3年間の変化を振り返ると、Googleが一貫して求めているのは「人間のために、経験に基づき、丁寧に書かれたコンテンツ」です。個別のアップデートに一喜一憂するより、この本質に沿った運用を続けるのが最も強い対策になります。
アルゴリズム変更で順位が動いた方、また今後の対策に不安がある方は、まず現状の診断から始めましょう。
